柊サナカ『古着屋・黒猫亭のつれづれ着物事件帖』|着物警察撃退のヒント

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着物を着てみたいけれど
「着物警察」が怖くて一歩を踏み出せない…。
そんな悩みを持つ方は少なくありません。
私自身もそうでした。

今日は柊サナカ著『古着屋・黒猫亭のつれづれ着物事件帖』から
黒猫亭店主マリイさんが教えてくれる着物警察撃退の方法をご紹介します。

柊サナカ著『古着屋・黒猫亭のつれづれ着物事件帖』
2020年9月18日発行
宝島


着物警察とは?意味と具体例

着物警察とは
着物を着ている人に対して

「その着方は間違っている」「本来はこうすべきだ」と
過度に指摘してくる人を指す言葉です。


本来、着物は自由に楽しめるものですが
伝統や作法を盾にして相手を批判する態度が
「警察」のように感じられるため、この呼び名が広まりました。

✅具体例

  • 街歩きで「その帯結びは正式じゃない」と声をかけられる
  • カジュアルな着物に対して「その場にはふさわしくない」と断定される
  • 着物初心者に「そんな組み合わせはありえない」と強い口調で注意する

こうした指摘は、親切心からのアドバイスではなく、相手を萎縮させてしまうものです。着物警察の存在が、着物を楽しむ気持ちを奪ってしまうこともあります。

黒猫亭店主マリイさんに学ぶ着物警察撃退法

作中で主人公・波子が出会うのは
古着屋「黒猫亭」の店主・マリイさん。


着物に憧れはあるものの、成人式の苦しい記憶しかない波子でしたが
マリイさんに勧められて着物を羽織ります。

すると、自分でも驚くほど凛とした雰囲気が生まれ
着物の魅力に目覚めていきます。


帯の代わりにマリイさんが差し出したのは
黒猫亭オリジナルの太いベルト。
洋服のように巻いて留めるだけの簡単な帯風アイテムです。


波子は「こんな帯、叱られそう」と不安を口にします。
ネットで見た“着物警察”の存在が頭をよぎったのです。

えーと。この帯ベルトもいいんですが。叱られそうな気がして。あなた何それ、って

臆する波子に、マリイさんは笑ってこう返します。

値札のタグが背中から出ているまま、歩いている人を見かけたらどうしますか?

波子が「小声で教えるか、ジェスチャーで伝える」と答えると
マリイさんは
「それと同じ。親切で教えてくれる人がほとんどですよ」と諭します。


それでも波子は「年齢的に叱られるのでは」と不安を抱きますが
マリイさんはきっぱり言います。

親切心からの指摘じゃなくて、ケチだけつけたい人は、ただの無礼な人です。何か言われたら、それが何?って言ってやればいいです

腕組みをして「それが何?」と睨む練習をする二人のやりとりは、ユーモラスで痛快。
そして波子は宣言します。

着ます、着物

ここから波子の着物生活がはじまるのです。

✅ 読者へのメッセージ

マリイさんの対処法は、着物警察に萎縮しがちな人にとって心強いヒントになります。
まずは相手の言い分を聞いてみて、筋の通った指摘なら知識として受け取る。
ただの無礼者なら、無礼で返してもいい。
そんな柔らかくも芯のある姿勢が、着物を自由に楽しむ勇気をくれるのです。

着物警察への対処法|無礼な指摘をかわすコツ

着物警察の存在は、着物初心者にとって大きな不安のひとつです。
「間違っている」「その場にふさわしくない」といった強い言葉を投げかけられると、せっかくの楽しみが萎縮してしまいます。
しかし、黒猫亭のマリイさんの言葉にあるように、指摘には大きく分けて二種類があります。

✅ 親切な指摘の場合

  • 値札がついたまま歩いている人に声をかけるように、本当に困らないように教えてくれる人
  • こうした指摘は知識として受け取り、感謝すればよい

✅ 無礼な指摘の場合

  • 相手を萎縮させたいだけの「ケチをつけたい人」
  • その場合は「普段着なんですけど、それが何?」と軽く返すくらいで十分
  • 真剣に受け止める必要はない

着物警察に出会ったとき
まずは「これは親切か、それとも無礼か」を見極めることが大切です。


筋の通ったアドバイスなら学びに変え
ただの無礼なら笑って受け流す。


この姿勢を持つことで
着物を自由に楽しむ気持ちを守ることができます。

まとめ|安心して着物を楽しむために

着物警察という言葉は、初心者にとって大きな不安の種です。
しかし、黒猫亭マリイさんの言葉にあるように、指摘には「親切な助言」と「ただの無礼」があり、その違いを見極めることが大切です。

✅ まとめポイント

  • 親切な指摘は知識として受け取り、感謝する
  • 無礼な言葉は「それが何?」と軽く受け流す
  • 着物は本来、自由に楽しむもの。萎縮せず、自分らしいスタイルを大切にする

着物を着ることは、特別な場だけでなく日常の楽しみでもあります。


「正しい着方」よりも「自分が心地よく感じる着方」を選ぶことで
着物はもっと身近な存在になるでしょう。


安心して、そして自由に。
着物を楽しむ気持ちを守ることが、何より大切と私は思います。

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