リサイクル着物には、思いがけない出会いと小さな葛藤がつきものです。
10月にメルカリで購入した大島紬は、南国の花模様に一目惚れした一枚でした。
ところが届いてみると、八掛は想像以上に鮮やかな朱赤。
さらに本物の大島紬かどうか迷いが生まれました。
それでも「仕立て直して楽しみたい」という気持ちがわいてくるのが、着物の不思議な魅力です。
この記事では、証紙なしの大島紬を手にした体験と、リサイクル着物ならではの楽しみ方を綴ります。
メルカリで出会った大島紬
10月にメルカリで大島紬を購入しました。
大分前から素敵だと思っていいね♡をつけていた商品で、出品者の方が売り切りたいのでご希望額を教えてくださいと何度もコメントされていたので、勇気を出してお値下げを申し出たところ、ほとんど言い値で譲っていただけました。
これが素晴らしい模様で。
大島紬らしい色合いに、南国の花が全体に織り出されていて。
私の好みど真ん中で。
ただし。
いいね♡をつけたけどすぐに飛びつかなかったのには理由がありました。
八掛がとにかくド派手な朱赤だったのです。
私は赤の八掛が好きで、仕立て直しの泥大島にわざわざ赤い八掛を付けるほどなのですが、この朱赤はさすがに無理と思うくらい華やかです。
それに黄色っぽい朱色で、私好みの黒っぽい赤ではありません。
迷いはありましたが、お値引きされたので吹っ切れて、えいっ!とばかりに購入しました。
届いた後に感じたリサイクル着物ならではの迷い
この大島紬が手元に届いて感じたことが2つあります。
八掛の付け替え必須?
一つ目は想像以上に八掛が赤いこと(笑)
若い人向けに作った着物なのねとほほえましく感じる一方で、これは付け替え必須だと感じました。

証紙がないことで生じる迷い
2つ目は証紙があるものを買うべきだったということ。
実はわたくし大島紬に関しては、本物かどうか見分ける自信があったんですよね。
根拠もなく(一応きもの文化検定2級は保持していますが)なんとなくそう思い込んでいました。
ですがこのきものを前にしたら、急にその自信がしぼんでしまって。
なぜかと考えるに、この大島は私が手に入れた初めての「片ス」であることが大きいのでは?と思いました。
片ス式大島紬への知識不足に気づく
これまではリサイクルで大島を買う時は、一元にこだわって選んできたのです。
くっきりとした十字絣がすごく好みなのです。
あと一元式絣は技術的に非常に手間がかかるので、今はほとんど織られていないという希少性も魅力に感じていました。
ですから「片ス」に関しては不勉強というか、本物を触った経験がほとんどなくて。
そのことに商品が届いて初めて気づきました。
まったくもって迂闊です。
疑問の目でみると、なんだか私の他の大島紬より生地が厚いような気がする。
それにすこしゴワっとしているようにも感じる。
でも、片スの特徴であるTの字はしっかりしている。
商品ページでは9マルキ片スと表示されていました。
出品者は京都の方で取引件数が1万件ちかいので、ある程度信用のおける方だとは思います。
大島特有の生地の手触りはあり、シュルっとした感触とシャワシャワとした絹なりはある。
本物だと信じたいけれど自信が持てない…。
もし本物じゃなかったら?
八掛の付け替えは一から仕立てるのとほとんどかわらないくらい料金がかかるので、偽物にはお金をかけたくないというケチな感情も沸いてきます。
どうしたものかしら。

この着物の楽しみ方
とりあえず着用してみようか。
着たうえで、仕立て直してまで着たいのか考えるというのはどうだろう?
そうだ!
この冬は家での普段着として着用して、着心地とこの着物に対する自分の情熱とを見極めてから決めるとか?
初夏になったら洗い張りに出して。
その時に悉皆屋さんに本場大島かどうか問い合わせてみることにしたら?
仕立て直すかはその回答によって決めればいい。
今はどれだけこのきものを好きになれるかお試し期間にするのです。

仕立て直し。それはプレイスレスな体験
それにしても赤いわぁ、この八掛。
こんなに赤かったら、模様の魅力を消してしまうとおもうのよね。
付け替えるとしたらどんな色?
くすんだ藤色に近い紫を付けたいな。
仕立て直しのことを考えると楽しくて胸が弾んできます。
こういうことが楽しくてしょうがないから困るんです。
着物沼とはよく言ったもの。
お店で一から選ぶ高級な着物はもちろん高揚感があり格別でしょう。
お店の方とのやり取りや、時には生産者の方から直接お話を伺う楽しみもあります。
私は残念ながらその方面には縁がないけれど。
だからと言って着物ライフを楽しめないかというと全然そんなことはありません。
気に入ったリサイクル着物を、仕立て直しで自分用にカスタマイズする体験はプライスレスなのです。
リサイクル着物にはただ安いだけじゃない楽しみと悦びがあるわけで。
着物沼はどこまでも続き、まだまだどっぷりと浸かり続けそうな私です。

本物と信じていいかなと思い始めています。
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