成人式の振袖選びは、家族の思いも、本人の気持ちも、そして“似合う色”という繊細な要素も絡み合う、とても複雑な時間です。
私自身、成人式では姉のお下がりの振袖を着ました。
当時はそれが自然なことだと思っていたのですが、着物が好きになった今だからこそ、あの経験から学んだことがたくさんあります。
これから書くことは、誰かを責めたいわけではなく、「似合う色を大切にしてほしい」という願いを込めた、私自身の気づきの記録です。
振袖を選ぶ際の、小さなヒントになれば嬉しいです。
家族が選んだ振袖。私はその場にはいなかった
私の振袖は、姉と母が展示会に出かけて選んだものでした。
ふたりはとても楽しい時間を過ごして帰ってきたようで、その様子を見て「よかったね」と思う一方で、自分がその場にいなかったことで、どこか取り残されたような気持があったのを覚えています。
姉に選ばれた朱赤の振袖は、姉には本当にかわいらしく似合っていました。
その姿を見て「似合うってこういうことなんだな」と思ったのを覚えています。

実際に着てみてわかった「これは私には似合わない」
成人式の前撮りできものに袖を通した瞬間に分かりました。
「これは私にはまったく似合わない色だ」と。
朱色に近い赤は、私の顔色を沈ませてしまい、鏡の中の自分に違和感がありました。
赤といっても、青み寄り・黄み寄り、明るさや鮮やかさの違いで、顔映りは大きく変わります。
私は「似合う赤」と「似合わない赤」の差が極端なタイプで、今ならそのことをよくわかっていますが、当時はただ「似合わない」という事実だけが胸に残りました。

いとこ姉妹の話で気づいた「色選びの大切さ」
その数年後、いとこ姉妹が振袖を誂えるときの話を聞きました。
親御さんが姉妹ふたりを連れて行き、どちらにも似合う地色を丁寧に選んだそうです。
「同じ親から生まれた姉妹だというのに、似合う色が全然違って大変だったのよ」と楽しそうに話す姿を見たとき、初めて“色選びって大切なんだ”と実感しました。
その時ふと、「私も一緒に選んでいたら、違う色になっていたのかな」
そんな気持ちが胸に浮かびました。
触れられてよみがえった当時の気持ち
後になって家族から、「当時は自分の好みを優先しすぎたかもしれない」と気遣うような言葉をかけてもらったことがあります。
その言葉自体はありがたかったのですが、私の中では“理解されたから嬉しい”とは思えませんでした。
むしろその一言をきっかけに、自分が抱えていた悔しいような、悲しいような、取り残されたような、そんな気持ちがふっとよみがえり、胸の奥がざわついたのを覚えています。
気持ちをうまく言葉にできず、誰にも気づかれないまま、しまい込んでいた思いがあったということでしょう。
成人式は一度きり。だからこそ「似合う色」を大切に
成人式は一度きり。
そして振袖を2枚持つという人は少ない。
だからこそ。
本人の気持ちを聞くこと
似合う色を丁寧に選ぶこと
この2つはとても大切だと、今、感じています。
私の経験が、これから振袖を選ぶ誰かの参考になれば嬉しいです

参考として
■正絹帯締め(振袖・訪問着・お正月の小紋にも)
私がもし成人式をやり直せるなら、こちらの白地に赤の帯締めが欲しいです。
これなら、振袖だけでなく、訪問着での結婚式や、お正月の小紋にも使える“晴れの日の万能選手”になります。
成人式のあとも長く使えるのが嬉しいところです。
■成人式用ショール(フェイクファー)
成人式では、今でも白いフェイクファーのショールが定番です。
顔まわりが明るく写るので、写真映えが良いのが嬉しいところ。
レンタルの方でも、軽くて扱いやすいフェイクを選ぶ方が多いようです。
■和装ブラ(振袖の着付けが安定します)
和装ブラは種類が多いのですが、ワイヤーなしで胸元がなだらかに整うタイプが着付けしやすいようです。
浴衣にも使えるので、ひとつ持っておくと便利だと思います。
■冬用足袋(成人式の寒さ対策に)
成人式は真冬の行事。
足元が冷えると体全体が辛くなるので、冬用足袋があると安心です。
フリースが分厚いタイプもありますが、草履をきつく感じることもあるようです。
私はこちらの厚すぎないタイプを使っています。


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