本の虫というほどではないけれど、悩んだときやつらいときには、自然と書店に足が向きます。
本の中に、自分を支えてくれる、必要としている言葉がある気がして。
これまでも、悲しみや迷いを受け止めるとき、本に助けられてきました。
「本によって生かされてきた」と思う瞬間が、何度もありました。
そんな私が最近出会ったのが、川原マリアさんの『不自由から学べること』でした。

書 名 不自由から学べること
出版社 ダイヤモンド社
発行日 2025/03/06
思いどおりにいかない日常をどう受け入れるか
この本は
・不自由の中で心をどう保つか」
・思いどおりにいかない日常とどう向き合うか
という、とても普遍的なテーマを扱っています。
まずインパクトがあるのが、著者が“修道院で生活していた”という事実です。
中学高校はカトリックの学校で、その附属の修道院に修道女の志願者として暮らしていたそう。
12歳からシスターになるべく修道院の塀の中で、不自由づくめの生活をしていたことが、著者の考え方の基盤になっています。
その生活は、本人いわく“まるで監獄のような自由のない世界”。
スケジュールは分刻みで、所有できる荷物はロッカーひとつのみ。
雑誌やテレビなどの娯楽はご法度。
敷地の外に出られるのは月に1回、3〜4時間だけ。
恋愛はもちろん、一日のうち数時間を除いて私語も禁止。
このような世界なので、現実の見方を変えることでしか生きていけなかったそうです。
だからこそ、 不自由な世界であってもそこに意味を見出し、心は自由なままで生きていく。
“不自由の中で心を自由にする”という視点に説得力があります。
ちなみに、カトリックを賛美する内容ではありません。
あくまでも宗教の教えのなかから、日常の心の持ちように役立つエッセンスのみを抽出したという雰囲気です。
宗教に興味のない方にも、人生のヒントとして読める内容。
“生き方の知恵”としてすっと入ってくる感じです。
心に残った3つのこと
本書を読んで私が最も感じたのは、非常に現実的で実現可能な方策が書かれた本だということでした。
この手の意識改革系の啓発本は、読んだその時は「なるほど」と思っても、いざ現実の生活に生かそうとすると、少し高尚すぎたり、ビジネス寄りだったりして、日常に定着させるのが難しいことが私の場合は多いのです。
その点この本に書いてあることは、少し心にとどめておくだけで絶大な効果を発揮しそう。
苦労せずに定着しそうな予感があります。
以下に、特に印象に残った3つを挙げます。
① “とことん悲しむ”を自分に許す
悲しみを押し込めず、まずは十分に感じる。 泣くことも落ち込むことも、生存本能であって悪いことではない。
この考え方は、私にはとても受け入れやすかった。 「悲しむな」「前を向け」と言われることが多い中で、 “悲しむことを許してくれる”言葉は貴重です。
② 悲しみとうまく付き合う
年齢を重ねると、体の不調と“うまく付き合う”ことが増えます。 心も同じで、悲しみを消すのではなく、 共存していくものなのだと気づかされました。
最近の自分の感覚と重なって、 すっと腑に落ちた部分です。
③ 100年後には全員いない
人間関係で悩んだとき、 「100年後には全員いない」という視点は、 思わず笑ってしまうほど軽やかで、救いがあります。
実は私も昔から似たような考え方をしていて、 嫌なことを言われたときに 「あなたもいつか死ぬんだよ」と心の中でつぶやくと、 怒りや悲しみがふっと軽くなることがありました。
著者のユーモアに、どこか親近感と共感を覚えました。
まとめ
この本で繰り返し語られるのは、 “すべての苦労にはかならず意味がある”ということ。
人生はやりたくないのにやらされることばかりで、毎日が同じことの繰り返し。
お金も時間もないし、思い通りにいかないことばかり。
ルールに縛られ、人間関係で心をすり減らす。
性別、容姿、血縁…… 努力ではどうしようもないこれらに運命を左右されてしまう。
このような“あらゆる不自由”をどう捉えるか。
実はこれらの不自由は、考え方ひとつで“消す”ことができる。
この本は、物の見方を変える、考え方を変えるための指南書なのです。
当分は私のバイブルとしてそばに置いておきたいと思える一冊でした。
こんな人におすすめ
- 日常のしんどさを抱えている人
- 生き方に迷っている人
- 心を整えるヒントがほしい人
- 宗教に詳しくなくても大丈夫な本を探している人
静かに寄り添ってくれる本です。
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🍀同じくカトリックの方が書いた心の指南書にはシスター渡辺和子さんの本があります。
「置かれた場所で咲く」という言葉だけが独り歩きしがちな一冊ですが、実際の内容はもっと深くやさしい本です。
咲けないときは無理に咲かなくていい。
そんなときは“下へ下へと根を張る時期”があってもよくて、それでも難しいなら場所を変えてもいい――渡辺和子さんは、そう教えてくれます。
心が疲れたときにそっと寄り添ってくれる、生き方のヒントが詰まった本です。
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著者紹介
図案家、和柄デザイナー。アートディレクターとして活躍されている方です。
長崎県出身。
京都在住。
潜伏キリシタンの末裔として、6人きょうだいの貧しい家庭に生まれる。
12歳で修道院に入る。
18歳で修道院を出てからはアルバイトなどを経て、23歳で京都の着物職人に弟子入り。図案家として実績を積み現在に至る。
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