押入れの奥に眠っていた小紋を、久しぶりに取り出してみました。
ずっと気になっていたのに、なかなか向き合えなかった一枚。
前の記事はこちらです。
押し入れの奥で眠っていた、ピンクの小紋のこと
「たしかウコンの風呂敷に包んでいたはず」 そう思い込みながら手を伸ばしたのだけれど──
出てきたのは、記憶とまるで違う“真っ赤な唐草模様”。
その瞬間、思わず笑ってしまいました。
ああ、私の記憶ってこんなにあてにならないんだ、と。
でも、こうして押入れから出してみると、 忘れていた会話や、あの頃の空気や、 人とのささやかなやり取りまで、 甦ってきます。
今日は、そんな“記憶のズレ”から始まった小さな物語です。

風呂敷の色からして、まず違った
押入れの奥から、久しぶりにあの小紋を取り出してみました。
のっけからイロイロと記憶違いがありまして。
まず、風呂敷包みの色からして違う。
ずっと「ウコンの風呂敷に包んでいる」と思い込んでいたのに、 出してびっくり──
真っ赤な唐草模様。
緑だったらうっすら泥棒のイラストを連想するけれど。
赤だったらちょっとばかり笑えるのはなぜでしょう。

そういえば、これをお教室に持って行ったとき、 先生と笑いあったことをありありと思いだしました。
「いただきものなんですけど、唐草なんて泥棒っぽくないですか?」
「そんなことありません。可愛いですよ」なんて。
習い事に通うと、こういうちょっとした会話が生まれますよね。
家にこもりがちな私にとって、あの頃の何気ないやり取りは、今思えば貴重なスパイスだった……
人のぬくもりや手触りみたいなものって、日常に普通にあるときは煩わしく感じるのに、失ってしまうと涙が出そうなほど懐かしい。
どうして私は、あっさりやめてしまったんだろう……。
さて、風呂敷包みを広げていきます。
待ち針が刺さっていないという衝撃
大量の待ち針がついているから気を付けないと。
恐る恐る広げたのですが……

なんと、待ち針が一本も刺さっていなかった!
狐につままれたような気分で、必死に記憶を呼び戻します。
少しずつ思い出してきました。
そうだ、教室をやめて少しした頃に、「このままではいけない、せめて待ち針だけは外さなきゃ」と 重い腰を上げて縫ったのでした。
でも、広衿は一度しか縫ったことがなくて、手順もよく呑み込めていなかったので、縫い付けてはみたものの、左右のバランスが悪いような気がして、 先を続けるのが嫌になってしまったのでした。
あの時は、「なんてひどい。もう見るのも嫌」と思ったのに、こうしてハンガーにかけてみると、左右のバランスという面ではそれほど気にならないような?
しまい込んでいたからシワはあるけれど。

ここまできているのに、諦めるのは惜しい
こうして改めて見てみると、ここまで出来上がっているのに着物に仕上げないのはなんとも惜しい気がします。
とはいえ。
広衿は一度縫っただけで縫い方がわかりません。
きれいさっぱり忘れています。
衿は一番難しいところだし、ここからが正念場なのです。
衿の中の布のごちゃごちゃの整理の仕方がわからない。
ここにモスリンとか晒とかで芯を入れるはずだけど、やり方がさっぱり思い出せない。

どうしよう。
YouTubeで仕立て方を見てみようか。
多少ゆがんでも、自宅で着るならそれでいい
仕立てあげたとして、今からだと着用するのは9月になりますね。
おうち着物と割り切って、よれよれでも気にしないことにする?
それもいいかもしれない。
汚れたら洗い張り……なんてお金はかけず、そのときこそリメイクしてパジャマにしてもいい。
小物にしてもいい。
売れ残りということで1万円ポッキリで買った反物だし、 最後は布を使い切る感覚で楽しめばいい。
でもそれは、縫ってみてちゃんと形になったときの話。
もう無理!ってなったらどうしようか。
衿だけお仕立てをお願いしてみる?
頼み込めばやってもらえるかもしれないけれど、 プロの方からしたら嫌だろうな……。
どうしたものか。
とりあえず、歩き出してみる
取りあえず、なんとか形にすべく縫ってみる?
「ゆがんでもいい。自宅で着るのだか」と自分に言い聞かせて。
自分で縫って、何回か着て。
そこから先は、パジャマとかにリメイクするというのが今の気持ちだけど。
まだ決めてしまわなくていい。
どう心が動くか、先のことはわからないし、そのときに一番いいと自分が思える選択をできれば、それが正解なはずだから。

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今日の着物まわりメモ
🍀着物の仕立てを全体的に学べるDVD付きの本
衿の中の布の整理や、芯の入れ方など、 どうしても思い出せないところがあります。
和裁教室に通ったというのに、いまだに浴衣すら縫うのが覚束ないわたくし。
DVD付きのこうした“動画で見られる本”は、自宅で少しずつ進めたいときに向いているのかもしれません。本ならわからないところをわかるまで何度も確認できますからね。
どちらもまだ持っていないのですが、 いつか手元に置いてみたいと思っている本です。
🍀本ウコン染め風呂敷
記憶の中ではウコン色の風呂敷に包んでいたはずなのに、 実際には真っ赤な唐草模様で、思わず笑ってしまいました。
そういえば、ウコン染めの風呂敷は 昔から「防虫いい」と聞きますね。
今日の着物まわりメモとして、 本ウコン染めの風呂敷を参考に置いておきます。
🍀京都みすや忠兵衛の裁縫箱
もう20年以上間にデパートの京都展で出会って買った裁縫箱です。
縮緬の古典柄がとてもかわいくて、どこに持って行っても褒められたものです。
今でも大切にこの裁縫箱を使っています。
🍀新モス
衿の芯に使う布のことを、今日ひさしぶりに思い出しました。
20年以上前に3ヶ月だけ通った本格的な和裁教室では、衿芯は絶対に新モスと言われました。当時は手に入らず苦労したのですが、今は楽天市場で購入できるのですね。切り売りしている店までありました。
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