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先日の記事では、ウール着物に真綿の八寸帯を合わせたコーディネートをご紹介しました。
▶初雪の日に選ぶウール着物|家着からお出かけまで帯あわせ3つのケース
頭の中のイメージでは「格もあっているし、絶対に素敵なはず!」と期待に胸をふくらませていたのですが……
実際に置きコーデしてみると、思ったほどいいと思えなかったのですよね。
論理的には相性がいいはずなのですが。

以前、大島紬にあわせたときは素敵だった真綿の八寸帯でしたが、ウールの着物になると、質感が近すぎるのか全体的にもっさり見えてしまう気がしました。
お互いの良さを打ち消しているというか、なじみすぎるというか。
格としては間違っていないはずなのに、あと一歩の「スッキリ感」や「こなれ感」が足りないのかも知れません。
ウール着物を、単なる家着や家事の延長の外出の範疇だけに閉じ込めておくのは、あまりにももったいない。
現代の街歩き着としてスッキリおしゃれに着こなしたい。
そんな思いから、現代の街着としてのウール着物にあう帯を探るべく、あれこれ試行錯誤してみることにしました。
違和感を解消するヒントは『母譲りのきもの』にあった
真綿八寸がパッとしないなら何ならいいのか?
考えていたとき、ふと思い出したのが、以前読んだ『母譲りのきもの』という本。
たしかウールの着物のコーデで素敵なものがあったはず。
本棚から持ってきて開いて確認すると、それは、料理研究家。松田美智子さんがモデルのページ(20頁)でした。
お母さま譲りのウール着物です。
黒地に赤のやや太めの縞模様が、反物の半分側にだけ配置された個性的な一枚でした。
合わせている帯はクリーム色っぽい白地に花うさぎ模様を染めたもの。
松田さんは、半衿や足袋は白と決めているそうで、いつも清潔感を心がけて意識されているそうです。
白くてかわいげのある帯が、黒地に赤のやや印象の強いウール着物を、爽やかに清々しく見せています。
なぜこのコーデが素敵なのか、理屈で考えてみることにしました。
まず、帯の素材感が着物と異なっています。
ウールや真綿のような『ほっこり柔らかなの組み合わせ』ではなく、ツルッとした生地の染め帯を合わせることで着姿にメリハリが生まれていたのです。
よし、では私も染め帯を試してみようということで、さっそく手持ちの帯コーデで考えることにしました。
質感の対比が生む洗練。染帯のコーディネート
ウールの暖かみのある風合いに対して、塩瀬特有のすっきりとしたハリとツヤ。
この「異素材の組み合わせ」を試してみたところ、驚くほど前帯周りがキュッと引き締まり、家着っぽさが消えて一気に洗練された街着の表情に変わりました。
1. 爽やかなスッキリ感「白地塩瀬(菱形文様)」
白地の塩瀬帯(菱形文様)を合わせると、着姿が一気に明るくクリアな印象に。
帯揚げには淡いグレー、帯締めにはブルーグレーの冠組(ゆるぎ)をあわせて、冷涼感のある雰囲気になりました。
冬の寒い日にはむしろこういうクールな色あいを着るのが私は好きです。
雪景色に映える気がするのです。
このままの格好で外歩きはするわけではないのですけれどね。

ほっこりしがちなウールが、都会的でモダンなスタイルになります。
2. 大人な遊び心「ボルドー地塩瀬(唐子柄)」
お次はこちら。
着物と同系色の塩瀬帯です。
一見シックで落ち着いた雰囲気ですが、お太鼓や前帯に描かれた愛らしい唐子の柄が大人可愛い帯です。
同系色でまとめつつも、塩瀬のツヤ感と淡グレーの帯揚げで抜け感を作れば、家着感はきれいに払拭されます。

こっくり深い秋の街歩きに「縮緬更紗帯」
塩瀬の「すっきり感」とはまた違う魅力として、着尺から帯に仕立て直した「更紗模様の縮緬の染め帯」も合わせてみました。
縮緬の持つしぼの立体感と更紗柄の濃密さに、抹茶色の帯揚げと小豆色の帯締めをプラス。
塩瀬が「都会的な透明感」なら、こちらは「秋深まる季節にぴったりのこっくりとした深みとレトロ感」。
カフェ巡りや古民家散策に出かけたくなる、味わい深いコーデになりました。


まとめ:ウール着物はもっと自由におしゃれになれるはず
「ウール=普段着だから素朴な帯」という固定観念を少し外して、塩瀬や縮緬といった染め帯を合わせてあげるだけで、ウール着物の可能性は広がるのではないかしら。
ウール着物は決して家着専用の着物ではありません。
帯や小物の選び方次第で、現代の街並みにも自然になじむおしゃれな街着になります。
私自身、今回のコーディネート実験でその可能性を改めて感じました。
帯あわせの工夫でスッキリ見せて、どんどん街へ着て出かけたいものです。
染帯のコーデ考察がなかなか楽しかったので、それに気をよくしまして、次回は「九寸名古屋帯編」をまとめてみたいと思います。
ウールを家に閉じ込めずに街着として楽しく素敵に着たい私の考察は続きます。
今回のコーディネートに近いウール着物
ひとくちにウール着物といってもさまざまです。
今回私がコーディネートを試したのは、昔ながらの厚手の普段着向きウールというよりも、比較的すっきりした印象の現代的なタイプ。
染め帯との組み合わせで街着として楽しみやすいのは、こうした雰囲気のウール着物かもしれません。
▶ショップの都合により画像は貼れませんが、私のウール着物とおなじ「都路里つむぎ」です。
仕立て上がり価格です。
身丈163cm 裄68cm
22,000円(送料込み)
▶同じショップの源氏物語ブランドのウール着物。
先染めでしなやかさ着やすさに定評のある商品です。
誂え仕立て入ってこの価格は魅力的ですね。
34,100円(送料込み)
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