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以前、白の帯揚げや帯締めはカジュアルに使えるのか、という記事を書いたことがあります。
▶白の帯揚げ・帯締めはカジュアルに使える?使い方を整理してみました
この記事は、実は結構読まれておりまして、私のなかで常に気にかかる記事なのです。
書いていることに間違いはないのか、内容に責任が持てるのか?などと自問自答を繰り返している、そんな記事です。
最近になって、考え方が大きく変わったわけではないのですが、「白ってやっぱり難しい色なのね」とつくづく思うようになりました。
理由のひとつは、カジュアル向きの白い帯締めを探しても、なかなか見つからないことです。
もちろん全く存在しないわけではないのだけど。
探してみるとセット販売の留袖用が中心で、紬や小紋に合わせることを前提に作られた、ちょっと遊び心の入ったニュアンスあるものは驚くほど少ない。
▶最近見つけて「こういうのが欲しかったのよね」と思ったのがこちらです。
市場であまり作られていないということは、すなわち使いづらいと思われているという見方もできるのではないか。
そんなことを考えるようになりました。
そのような折り、ネットでお子様の卒業式の保護者の方の着物姿を見かけました。
おばあさまの形見だという大島紬の訪問着で出席された方です。
とても素敵でした。
私は単純に「ああ、いいなぁ」と思いました。
おばあさまの着物を大切に受け継いでいることも、卒業式という節目の日に着て出席されたことも、本当に素敵だなと思ったのです。
ところがコメント欄を見たとき、一気に心が冷えました。
そこにはこんなコメントがあったのです。
「帯締めは留袖用に見える」
ただ、それだけ。
実際にその方の帯締めは、平たい留袖用の帯締めのようでした。
裏が金色のタイプです。
私はそのコメントを見て、なんだかその方を守ってあげたいような気持ちになりました。
だから何?
卒業式なんだからいいでしょう。
式に敬意を表すために、その帯締めを選んだってことでしょう。
そう思ったのです。
ただ、微妙なのは、そのコメントを書いた方が、批判しているのかどうか、よくわからない書き方だということでした。
そこに私は、もう少し違うことも感じたのです。
この方は、よそ様の着物姿にコメントを入れる程度には、着物を知っている方なのだろう。
けれど、おかしいという確信があるなら、「それはおかしい」ともっと断定的に書くのではないだろうか。
断定して批判するのではなく、ただ
「留袖用に見える」
という表現に留まった。
ですから私はこのように感じました。
「コメントした人自身も、少し自信がなくて迷っているのではないか」と。
ちょっと自信がないから、指摘はしたけれど、断定はしなかった。
そんな風に感じました。
ただ、意図がどうであれ、言われた側は批判されたと感じて、嫌な気分になるでしょうね。
そして、このやり取りを見ていて、別のことも考えました。
私の記事はどうだろう、書いている内容に自信が持てるの?という声が、脳内にこだましました。
私のこの記事を検索してやってきて読む方は、たぶん「白い小物をカジュアルにつかってよいのか」とかそういう疑問を持っているのだろうと思うのです。
▶白の帯揚げ・帯締めはカジュアルに使える?使い方を整理してみました
記事のなかで私は、留袖用の帯締め帯揚げを、セットではなく単品で、少し改まったところに使う方法をご紹介しています。
私自身、この方法はなかなか良いと思っていて、息子の卒業式に留袖用の白の帯揚げをコーデして出席し、画像も掲載しています。

帯締めは別に訪問着用として求めたものです。
ですから私は、留袖用の白の帯締めを卒業式に用いるのには賛成の立場です。
でも、疑問を持ってこのブログを訪れて記事を読んでくれた方に、自信をもって強くお勧めできるのかというと、正直なところ疑問符がつきます。
ルールとしては正しいと思っている。
でも、何か言いたい人が現実問題としているなら、その存在を無視するのも危ういのではないかという疑問です。
そこに気づかされました。
カジュアルに白を基調とした遊び心のある小物を使うことと、入卒などの式服とを同じレベルで記事にしているのも、あとから読んでみるとややこしいし、危険だなとも思います。
カジュアルは自由でいいのです、単なるおしゃれですから。
でも、入卒式などのセミフォーマルの場合、いろいろ言いたがる人がいるという事実は押さえておいた方がいいかなと。
とやかく言われがちなものを、悩んで答えが知りたくてネットで検索して調べている、そういう方に対して、大丈夫だよ、OKだよって断言できるかというと、途端に自信がなくなってしまいます。
留袖用の白の帯締めを卒業式に着用する。
そのときに、自分の中に確固たる自信と信念がある方ならいいのです。
「卒業式だから少し改まりました」
「式服として場に合う小物を使いました」
「あら、白の帯締めのこういう使い方をしらないの?」
本人が納得していて、人に聞かれても堂々と説明できるなら、なんならちょっとした嫌味で切り返せるのなら、それでいいし、とても素敵なことだと思います。
でも、もし迷っていて、自信がない、そういう状態ならどうでしょう。
「これでいいのかな」とビクビクしながら使うのなら。
わざわざ口うるさく言われがちな小物を選ぶメリットはあるだろうか。
そんなことを考えてしまいました。
白を否定したいわけではありません。
私は今でも白の小物が好きです。
ただ、着物を着続けるうちに、少しずつ真っ白から離れてきた気がします。
最近手が伸びるのは、純白より、白に近いニュアンスカラー。
ごく淡いグレーだったり、少し青みを含んだ色だったり。
真っ白ほど強い意味を持たず、それでいてすっきり見える。
そんな色に、惹かれるようになってきているのも、また事実。
白という色は、和装に置いては、なかなかに御しがたいというか、注意を払う必要のある色のようです。
▶五嶋紐 帯締め 正絹 ゆるぎ組 瓶覗色
ほんのり青みを含んだ灰白系のニュアンスカラーです。
真っ白ほどの強さがなく、白のすっきりとした印象は残しながらも、日常の着物になじみやすい色だと感じます。
「白の帯締めに憧れるけれど、いきなり純白は少し勇気がいる」という方にも取り入れやすそうな一本です。
▶京都富小路きねや 冠組無地帯締め 京ゆるぎ
正絹ならではの美しい艶と、端正な組み目が魅力の白ゆるぎです。
私自身、白を選ぶならこうした金銀糸の入らないシンプルな帯締めの方が、セミフォーマルでは使いやすいのではないかと思っています。
きねやの帯締めは着物好きのあいだでも定評があり、そうした意味でも気になる一本です。
▶五嶋紐 帯締め 正絹 ゆるぎ組 白鼠色
淡いグレーを感じさせるやさしい白です。
今回の記事で書いた「真っ白から少し離れた白」に近い存在かもしれません。
白の軽やかさは欲しいけれど、純白ほどの緊張感は求めていない。
そんな気分のときに目が向く色です。
▶井上工房 伊賀くみひも ゆるぎ
ショップではセミフォーマルからカジュアルまでと明記されている帯締めです。
白の帯締めに興味はあるけれど、
「留袖用との違いがよくわからない」
「卒業式や入学式で使ってみたい」
そんな方にとっても検討しやすい一本ではないでしょうか。
私自身、こうした用途が明確に示されている帯締めの方が安心感があります。
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