もとはオレンジ色の道行コートでした。
デパートの催事に来ていた染屋さんに「長く着られるように染め替えますよ」と言われ、安心してお願いしたはずなのに――
仕上がってきたら、赤い。
すごく赤い。
言われるがままに任せた結果、まさかの“真っ赤なコート”が誕生した話。
同じような経験が実は過去にもあって…

オレンジの道行コートを丸染めに出した話
もう10年以上前でしょうか。
オレンジの縞模様の道行コートを丸染めに出しました。
デパートの呉服部の催事に、札幌から悉皆屋さんが来るという案内をもらって、「見積もってもらうだけ」と自分に言い聞かせながら出かけたのですが……
こういう場合かなりの確率で、見積もりだけでは済まなくなりますよね?
「このままじゃ着ないでしょ。絶対染め替えた方がいいですよ。」という悉皆屋さんのおじさまのセールスにあっさり負けてしまったわけです。
「この古臭いオレンジはあなたに合いません。このままをあなたに着ていただきたくないんですよ」なんてことも言われて、その気になってしまいました。
こうして書いていると、すごく気恥ずかしくなってきました。
まあ、ありがちな話ですね(笑)
「赤茶にしてください。一生着られるような色でお願いしますね」と頼んだのですが。
染めあがってきたのがこれ

デパートから「仕上がりました」と連絡を受け、いそいそと出かけるワタクシ。
たとう紙を広げてもらった瞬間。
赤い!赤い!真っ赤すぎる!
「ずいぶん赤いんですね」と、控えめに言ってみたところ…
「そんなことないですよ」
「まだまだ着られますよ。大丈夫です!」
などの言葉が返ってくると期待していたのに…
「何て頼みました?」
「あのおじさんにおまかせしたら、そりゃ赤くなりますわ(笑)」
とは、売り場の女性店員さんの話。
……ひどくないですか(苦笑)
それならそうと、頼む段階で口添えして欲しかったわ。
染めあがってしまったものは仕方ない。
諦めの境地で帰宅したのでした。
この赤は一生着られるのだろうか?
当時45歳くらい。
「まだまだこれくらいの赤を着ていいよ」という、染め屋のおじさまからのメッセージと受け止めたらよいのでしょうか?
まあ、ワタクシはですね。
子どものころから赤が非常に似合う人でして。
この暗めの赤は似合う自信がある…
着たいか着たくないかと聞かれたら、確かに着たい…
着ます。
着ますよ!
着るけども…
でも、いつまで着られるかなって思ったのです。
丸染めなんて、悉皆屋さんにしてみたら手間ばかりで儲けが少ないかもしれませんが。
私にとっては結構な大金でした。
だから失敗したくなかったし
一生ものを手に入れたかったのだけど。
こんなに赤かったら、やはり一生ものというわけには、いかないのじゃないかしら?

同じ赤に染まっています
色の指定は綿密に
でもね。
やっぱり私のミステイクと考えるべきなのでしょうね。
丸染めだろうと何だろうと、染め替えるならば、色はもっと具体的に指定するべきでした。
それで希望通りの色にできるのかは染屋さんの考えることで。
私は私で「こういう色にしたい」という意志は持つべきだし、きちんと伝えるべきだったのです。
染め替えをご検討中の方は、色の指定は綿密になさることをおすすめします。
よくよく打ち合わせのうえ、納得してから依頼しましょう。
私のような失敗をなさいませんように。
🍀色を指定するときは、雑誌の写真を見せるのも一つの方法だと思います。「美しいキモノ」などで“この色、この雰囲気”と伝えると、染め替えの失敗が減るかもしれません。
実は同じ失敗を輪奈コートでもやっていた
呉服屋さんの言いなりになると赤くなる!
そういえば同じようなことが、30代なかばに作った輪奈コートでもあったのでした。
輪奈コートの生地が気に入ったのですが、色がオレンジで。
「生地はいいけど色がね…」と展示会でふともらすと
「地味に染め替えますよ」と言われて引っ込みがつかなくなり…
出来上がってきたら鮮やかな赤でした。

これ、地味ですか??
呉服屋さん的には
これでも地味なのでしょうね…

生地が魅力的なので黒にしておけば一生着れたのにと後悔しきり
せめて仕立てる前に見せてもらえばよかった
この輪奈コートの場合は、仕立てる前に染め上がりを見せてもらえばよかったのですよね。
今思うと。
仕立てあがってしまうと、もうどうしようもないですもの。
こちらは現在お蔵入り。
何度か着たけれどもう無理。
丈が長いからとにかく真っ赤が目立つ。
赤が歩いているみたいになるのです。
輪奈コート作った時といい。
道行コート丸染めといい。
同じ過ちを二度もするとは。
試しに和洋ミックスにしてみたらどんな感じになるかと思って、洋服の上から着てみたのですが。
和洋ミックスというより、洋服になぜか和装コートを合わせている人、みたいな雰囲気になってしまいました……
お蔵入りはもったいないので、いっそガウンにでもしてしまおうかと考えています。

大事なことなので、もう一度
呉服屋さんの言いなりで作ると赤くなりますよ!!
ほとんど陰謀じゃないかって疑ったりしましたもの。
「地味なものを作られたら、他にコートがいらなくなって、もう買いに来てくれないかも――」と思ったりした?
なんて…(笑)
好意的に受け止めれば、「今一番美しく着られる赤をお勧めした」ということなのでしょうか?
など愚痴りつつも。
丸染め道行コートの方は、50代半ばになった今でも着ているワタクシです。
何歳まで着られるのかと自問しつつ、自分でもうダメだと諦めるその瞬間まで、着ていいんじゃないかしらとも思うのですよ。
だってしょうがないじゃない?
もう真っ赤になって私の手元にあるんだし。
もったいないし。
それに赤は大好きなのだし。

近いけど微妙に違う色。輪奈コートの方がやや黄味のある赤です。
この微妙な赤の違いが年齢を考慮しているとするなら、ずいぶん繊細な世界ということになるけれど。
実際どうなんでしょう??
今日の着物まわり
🍀誂え染めをまずは小物でお試ししてみるのもいいですよね。こちらは着物好きの憧れ、伊と幸の松岡姫の帯揚げです。
地紋もすごく素敵。
今のところレビューは少ないですが、★はいずれも5つです。
🍀誂え染めは、好きな色や自分に似合う色を細かく指定できるのが魅力です。
私がこの記事で行ったのは“色掛け”でしかも解かずに染める“丸染め”でしたが、それとは違って、白生地から染める誂え染めは、色の指定をしっかりすれば希望通りのお色に染まります。
楽天市場の色無地専門店みやこさかえさんでは、染める前に白生地と色見本を送ってもらえるなどのサービスもあるようです。
これは安心感がありますね。
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