【メルカリで宝探し】薄シミありの塩沢を自分でほどいて極上の「マイサイズ単衣」に育てる妄想シミュレーション

着物のメンテナンス

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着物好きでネットを巡っていると、時折「おっ」と心が動く瞬間があります。
最近メルカリで見かけたのは、独特のシャリ感と細やかな絣が美しい、きなりの塩沢らしきお着物。

商品説明には「目立たないですがシミがあります」と書かれていて、サイズも私には少し合わない。
証紙もないので、普通ならスルーしてしまうかもしれません。

でも、着物沼に落ちた私は、ここから妄想が始まってしまうのです(笑)。
画面を見つめながら、「この子はこうすれば極上のお気に入りに育てられるのでは…?」という、仕立て替えシミュレーションが頭の中で勝手に動き出します。

今日は、訳あり着物を“自分サイズの単衣”に育てる、私のリアルな妄想お直し計画を書いてみます。

※中古着物の寸法の見方や、仕立て直し可能かどうかの判断については、別の記事で整理して書く予定です。この記事では触れていませんので、あらかじめご了承ください。

ステップ①:自分でほどいて、表地を「洗い張り・染み抜き」へ

メルカリで私が心ひかれたのは、塩沢の袷です。
「目立ちませんがシミがあります」との説明で画像もありますが、見る限りはごく薄いシミ。
お手入れで取れそうに見えました。

もしこの塩沢を手に入れたら、私は単衣に仕立てたい。

塩沢の単衣は一度着るとその魅力に取りつかれます。
シャリ感があって肌にまとわりつかず、肌に添うしなやかさがありながら、織物としての丈夫さもある。
裏の見た目も表地と違わないので、裾がひるがえったときにも違和感がありません。
単衣に向く条件をすべて備えています。

商品が届いたら、まずは自宅で「ほどき」作業。
自分でほどくと解き代が浮きますし、着物を縫ってくれた方に思いを馳せる時間もまた乙なものです。

表地だけになったら、信頼している悉皆屋さんへ。

  • 表地の洗い張り
  • 気になる薄シミの染み抜き

この2つをお願いして、いったん生地をリセットします。
洗い張りで織りたてのように蘇るはず。



御召は縮みやすいので、洗い張りは必ず専門店へ。
我が家には「御召はクリーニング店を間違えると縮む」という言い伝えがあるのです(笑)
何でも母は、お嫁入に持ってきた御召を近所のクリーニング店に出して、縮ませてしまった過去があるのだそうです。

ステップ②:裏物を調達して「単衣」に仕立てる

綺麗になった表地が戻ってきたら、単衣仕立てへ。

必要なのはこの3点。

  • 衿裏
  • 居敷当て
  • 背伏せ

最近は地元の手芸店が閉店してしまい、これらを揃えるのが難しくなりました。
ネットで3点を一度に注文できるページを見つけた時には思わず、「なんて気がきくの!」と声が出ました。
こちらのページの“まとめて購入手続きへ”から買えます。


【Amazonで探す】正絹背伏せ
【Amazonで探す】正絹絽衿裏
【Amazonで探す】正絹居敷あて

これらのお仕立て関連小物たちを表地と一緒に仕立て屋さんへ。
以前こちらで紬の訪問着(単衣)の仕立てをお願いしたことがありますが、満足のできる仕上がりでした。


注文の際のチェック項目を参考までに画像でご紹介しますね。
仕立て関連品は持ち込み、単衣で居敷当てあり、洗い張り品(割増1100円)である、というのが今回のポイントです。

気になる総額は……?

ここからは現実的なお財布の話。

  • メルカリでの着物購入代:6,500円
  • 洗い張り+染み抜き(見込み):約10,000円
  • 単衣用仕立て小物3点合計:6,520円
  • 単衣の手縫い仕立て代:19,580円

合計: 約 42,600円!

“約”がついてしまうのは、染み抜き料金がいくらになるか見込めないからです。
ここでは洗い張りと合わせて約10,000円で計算しました。

新品の塩沢を呉服屋さんで誂えることを考えたら、5万円以内に納まるのは破格です。
25年前、大手呉服チェーンの企画でやまだ織の塩沢を誂えたのですが、そのときはこの3倍ほどの価格でした。
今は当時よりさらに流通量が減って、価格が高騰しているとも聞いています。

写真で見る限り、しっかりした経緯絣の御召に見えるので、もし本塩沢ならかなりお得と思います。

近頃の洋服は安いので5万円出せば結構良いものを買えると思いますが、着物は洋服と違って流行がすごくゆるやかなので、お手入れしながら大切に着用すれば一生ものになります。
それを考慮すると、長い目でみればお得なお買い物になると思います。
(とはいえ、ポンと出せるかというと私にはちょっと勇気がいるお値段ですが)

中古だからこそ可能なこのお値段。
自分の手間を少しプラスすれば、世界にひとつの「極上のマイサイズ塩沢」がこの予算で手に入る。
着物の世界の面白さ、奥深さだと思います。

着物を「育てる」という愉しみ

洋服なら、シミがあったりサイズが合わない服を買ってリメイクすることはほとんどありません。
でも着物は違います。
仕立て直しという道筋がちゃんと用意されているのです。
そこが着物という衣類のもつ歴史の凄みと、日本人の知恵と技術の集積だと思うのです。

着物って本当に繊細でありながらタフで、サステナブルで、どこまでも愛おしい衣類だなと改めて感じました。

この妄想があまりにリアルで好ましすぎて、 本当に「購入手続き」ボタンを押してしまいそうな自分が怖い(笑)。

メルカリで着物を探してみたい方へ

サイズ・証紙・薄シミなどの理由で価格が下がる着物は、上手く探すことができれば、本当に宝物に出会えますよね。
私はメルカリで探すことが多いので、興味がある方は覗いてみてください。

【メルカリ】本塩沢(袷)

ここまで書いてきて、また1つ違う妄想が浮かんできました。

せっかく好みの青い八掛がついているこの塩沢、すぐに単衣にせずとも、このままの状態で着られるだけ着て、単衣にするタイミングはもっと年齢を重ねてからでもいいのではないかしら。

クリーニングに出したら、シミがあっさり落ちる可能性もありますしね。
妄想がとまらない(笑)
買ったつもりになってコーデを考え始めそうな私です。

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